第38回東京国際映画祭にて10月27日(月)に行われたオープニングイベントに中川未悠、中村 中、イズミ・セクシー、真田怜臣、六川裕史、泰平、飯塚花笑監督がレッドカーペットに登場。

1960年代の出来事を描いた作品ということで、昭和レトロなドレス姿で登場したキャストたち。
それぞれが劇中で演じたキャラクターをイメージし、そしてそれぞれのカラーを大事しながら作品の衣装部が今回の衣装をアレンジ。
作品の世界観をアピールすると共にオープニングイベントを華やかに彩った。
そして11月4日(火)には中川未悠、前原 滉、イズミ・セクシー、安井順平、飯塚花笑監督が登壇する舞台挨拶を実施。

トランスジェンダー男性当事者として幼少期から“ブルーボーイ事件”を知っていたという飯塚監督は「1960年代当時の裁判にトランスジェンダーの方々が当事者として出廷し、自分の存在をオープンに証言していた事を知って衝撃を受けました。LGBTQ+の歴史は語られて来なかったので、歴史に埋もれさせるのではなく、映画を通して世に届けるべきなのではないかと思った」と映画化に至る経緯を述べた。

主人公・サチを演じた中川とサチの元同僚アー子役のイズミは、オーディションで大抜擢。中川は「芝居経験がないので“なぜ私なんやろう!?”とビックリして不思議さもあったけれど、“オーディション合格”の文字を見た時に心から嬉しかった。作品に携われて良かったと思っています」としみじみ。

イズミは「オーディションの知らせを受けた時に、なんだか私がやるような気がすると思った。合格した時は嬉しかったけれど、演技経験がないので“私で良いのか?”と手を挙げた事に対する後悔も入り混じる複雑な感情でした」と率直な心境を述べた。

サチの恋人・若村役の前原は、中川とイズミの成りきりぶりを絶賛。「僕自身キャラクターを作ることはほぼなくて、というのも中川さんがサチとしてその場に存在してくれたから。僕は若村としてサチさんを愛する事だけでした。それは中川さんが作ってくれたこと」と感謝した。

一方、サチ達を尋問する検事・時田役の安川は「ブルーボーイたちの心を駆逐するために罵詈雑言を浴びせかける検事役で、聞くに堪えないようなセリフもあります。ただ撮影前に中村中さん、中川さん、イズミさんらとお食事をしてLGBTQ+当事者としてのお話しを聞くことが出来た。そんなコミュニケーションを通して役者としては敵ではないと理解していただいた。ちなみに時田もただのヒールではなくて、その時の彼の矜持もあるわけです。それが映画でもわかるように描かれています。そこにも注目してほしい」と見どころに挙げた。

最後に主演の中川は「幸せとは何かを問いかけてくれる温かいストーリーです。幸せになる権利は誰もが持っていて、性別問わず一人一人その形・カラーは違います。色々な方が共感していただける、登場人物一人一人の思いが沢山詰まった心温まる映画です」とアピール。
飯塚監督も「今の時代に必要な映画だと思って走り始めて今に至ります。映画をご覧になっていただければ、その意味が皆さんに伝わるのではないかと思います。1960年代の話ですが、今現在はどういった時代なのか?そこに想いを馳せていただければ、より意義深い映画になるのではないかと思います」と語りかけていた。
©2025 『ブルーボーイ事件』 製作委員会
